お知らせ / 徒然

2018-12-26 18:48:00


テレビ東京様の、ワールドビジネスサテライトに登場させて頂きました。


掘り下げれば掘り下げるほど、
一言で終わらせることのできない本件、当店の店主であれば尚の事。


報道番組の極めて限られた時間枠の中に、
最も大切な一点を凝縮されるのは大変なご苦心だったかと存じます。



前日から番組デスクが直々にロケハンにご足労下さり、
当初予定の取材時間を拡大頂く御厚遇に只々感謝感激です。
WBSチームの皆様、本当にありがとうございました。


さて、今回もお話させて頂いた内容は、
前回の「報道st」と基本的には大きく変わりません。



が、報道st様の取材から5日間ほど毎晩独り、
開店から約4年の日々を振り返りながら、
じっくりこの問題に向き合い思索を巡らせた結果、
自身がこの問題を良い方向に向かわせる旗手の一人である(であろうとする)、
自覚と覚悟を改めて認識したようです。



鯨の問題の難しさの一つは、その専門性と閉鎖性の高さから、
関係する当事者でありつつ、ある種の自我や思い込みを捨て去り、
最大限に客観的・俯瞰的に分析(見たくない事も見て)し、
それを再びヴィジョン(主観)に還元しなければならないところにあります。
ややもすると主体性を失い 「批判は理屈は立派だが」 となりかねません。


当店主の場合、料理店の現場で日々忙殺される中で、
その反復をしなければならないのですが、
なかなかそう器用にできる事でもないようです。
(逆に、料理店という「リアル」があるからこそ出来る思索があるのですが)


見失いがちな決意や信念を、こうした機会によって再構築し、
変わっていく姿を目の当たりにすると、
今回の脱退は、何より、私たちにとって運命的だったのだなと思います。


以上を踏まえ、また長くなってしまいましたが、
ワールドビジネスサテライトの放送内容の補足です。
前回よりは読みやすいと思うのですが…


これからもどうぞご声援よろしくお願い申し上げます。


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キャプチャ画面のテロップに出ている通り、
「なぜ、鯨を獲って食べるのか」 が重要です。

この問いを、徹底して、極限まで追求し、究極の答えを出す。


例えば
- すごく美味しいから
- サスティナビリティ(≒自然との共生性)が高いから
- 地域社会を再生/再構築させたから
- 文化性がや教育性が高いから(日本人の死生観や自然観の基盤だから)


これらの答えを、
自分達の目の前の愛すべき豊かな海で、
誰もが納得し、感動せざるを得ない、
圧倒的なレベルで実践、客観的な評価を獲得する。


グルメガイドの星獲得、
グッドデザイン賞の地域づくりデザイン賞、
レイチェル・カーソン賞…


実績や成果がなければ、
誰も話は聞いてくれないからです。


そして先ずは、日本の皆様に愛してもらう。
海外の方には、最低限、尊敬してもらう。


自分達の海で、おごらず、つつましく鯨を獲って食べる営みには、
それらを可能にする、潜在的で強烈なパワーがある。

歴史的な実績、営みの積み重ねによる知恵と技術の体系がある。
何より、これまでずっと30年間、捕鯨に反対され続けてきたという財産がある。
「それでもなお」と、続けることは生半可な事ではない。
続けた人にしか見えない世界があり、だからこそ描ける未来がある。


それに確信を持てないのであれば、
ここから先は、鯨に関わるべきではないと思う。


今こそ、捕鯨や鯨肉に関わる業界の一人一人がもう一度立ち上がり、
これらの実践に向けて、全身全霊全力で取り組む時なのだと思います。


一人一人が本気で鯨を獲って食べるという営みに真摯に向き合い直し、
それぞれが本気で最大限のパフォーマンスを発揮すれば、
其々の分野間で良い連鎖が生まれ、包括的なモデルが構築できる。


それを信じる事ができる関係者でいくべき世界へのスタート地点、
IWC脱退を機に、鯨に真剣な人だけが残る時なのではないでしょうか。
それを突きつけ、問いかけられているのだと思います。


政策や、行政に対し、
今回も、過去も色々と批判がありますが、
我々民間も足りなかったと思う。


サッカーに例えれば、我々民間がフォワードで、
先ほど申し上げた実績=スコアを獲らなければならない。
その為に必要な法整備や海外との折衝を、
ディフェンダーの行政が担う(支援する)。
国会議員の方は、両方を俯瞰しながら、
大きな指針を打ち出すミッドフィルダーかもしれない。

政策や行政に、その全てを求めるのは欲張りだと思う。
フォワードが我武者羅になってハングリーに点を獲ろうとしなければ、
闘争には勝てない。


2020年のオリンピックを控え、今ほど良いタイミングはない。
今よりも一歩でも遅れたら、恐らくもう間に合わない。


捕鯨が続けられるか、続けられないか。
鯨が食べられる、食べられないか、ではない。

一番重要なことは、
過去の乱獲という過ちも踏まえ受け止めた我々こそが、
「鯨を獲って、その恩恵に感謝する営み」を通じ、
「どんな未来、どんな地域社会、日本、世界との関係を、
自然とのかかわりをつくりたいのか・できるのか・必要があるのか」
という志であり、ヴィジョンです。


その実践の結果によってのみ、鯨を獲って食べる営みは続くのだと思います。
ただとにかく続ける事で見える事、できる事もありますが、
今はその時期は過ぎたのではないでしょうか。


理想論と言われるだろうが、それでもやるしかない。
それしか道がない。大きな瀬戸際。

これは捕鯨だけの問題ではない。
日本の自然資源と接するあらゆる産業の在り方が、
捕鯨の問題を通じて問われている。

問題の根深い捕鯨でそれを打破、解決するからこそ意味がある。
日本に希望が生まれる。


今回の脱退は、そのための大切な一歩。
IWCという、たくさんの関係の中で埋没しながらではなく、
自分たちのホームに原点回帰する。
そこでしかできないことがある。

だから脱退に賛成です。